背景をぼかす4つの条件。F値・被写体との距離・焦点距離・背景との距離で写真が変わる

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写真の背景をきれいにぼかすコツは、4つの条件をそろえることです。

1つ目は、F値(絞り)を小さくすること。
2つ目は被写体に近づくこと、3つ目はズームの望遠側を使うこと、4つ目は被写体と背景のあいだを離すことです。

この記事では、カメラメーカーの公式の解説をもとに、4つの条件をやさしくまとめました。
「設定はしたのに、なぜかぼけない」というときの見直し方も紹介します。

背景がぼける仕組み。「被写界深度」を浅くする

ピントが合って見える範囲のことを、被写界深度(ひしゃかいしんど)といいます。
この範囲がせまい(浅い)ほど、ピントを合わせた所の前後が大きくぼけます。

キヤノンの写真用語集では、被写界深度は広角レンズほど深く、望遠レンズほど浅くなると説明しています。
また、レンズに関係なく、絞りを絞り込むと深くなります。

リコーイメージングの解説では、ボケは「レンズ」「絞り値」「距離」の3つの要素で操るとしています。
ソニーも、背景をぼかす大きな要素として、焦点距離・絞り・被写体と背景の距離を挙げています。

この記事では、距離を「カメラと被写体」「被写体と背景」の2つに分けて、4つの条件として見ていきます。

条件1:F値を小さくする(絞りを開ける)

F値は、レンズの絞りの開き具合を表す数字です。
キヤノンの用語集によると、絞りを開けるほど、ピントの合う範囲は浅くなります。

キヤノンの作例では、F2.8で撮った花は背景から浮かび上がり、F32まで絞った写真は、奥までピントの合った図鑑のような仕上がりになっています。

設定は、撮影モードを「絞り優先AE」(AやAv)にするのが簡単です。
リコーイメージングは、絞り値を開放か、開放に近い小さい数字にすることをすすめています。

開放とは、そのレンズでいちばん小さいF値のことです。
いくつまで小さくできるかは、レンズによってちがいます。

条件2:被写体に近づく

カメラを被写体に近づけるほど、背景は大きくぼけます。

ソニーの作例では、焦点距離50mmのまま人物に近づいて撮ると、背景のボケが大きくなり、人物が引き立ちました。
近づく距離を加減することで、写り込む背景とのバランスも取れると紹介しています。

リコーイメージングも、「レンズから被写体の距離は近く」することをポイントに挙げています。

条件3:ズームレンズは望遠側を使う

ズームレンズを使うときは、広角側(数字が小さい方)より、望遠側(数字が大きい方)のほうがぼけやすくなります。

ソニーの作例では、同じ位置から35mmと70mmで撮り比べると、70mmのほうが、手前のグラスも後ろの花瓶もほどよくぼけていました。

リコーイメージングは、明るい単焦点レンズがあればいちばんよく、なければキットレンズの標準ズームの望遠側でもよいとしています。

私は50mmの単焦点を1本持っていますが、撮影の現場には、すぐ下が崖のように、自分が動いて撮れない場所もあります。
そのため、重さを覚悟でズームレンズも使っています。

条件4:被写体と背景の距離を離す

4つの中で、いちばん見落としやすいのがこの条件です。

リコーイメージングは、背景は遠くにあればあるほど大きくぼけると説明しています。
被写体と背景が近いと、背景にもピントが合ってしまい、大きなボケは得られません。

同じページのNG作例では、被写体と背景が近かったため、テーブルクロスの模様がはっきり写っていました。

屋外で花を撮るときは、立ったまま見下ろすより、しゃがんで遠くの木や青空を背景にすると、大きなボケが得やすくなります(リコーイメージング)。

ソニーの作例でも、手前のグラスを花瓶から離してカメラ側へ近づけたことで、後ろの花瓶のボケが大きくなりました。

F値を下げてもぼけないときは、背景との距離を見直してみてください。

背景がうまくぼけないときの見直し順

思ったようにぼけないときは、次の順番で見直すと、原因を見つけやすくなります。

  • 撮影モードは、絞り優先(A・Av)になっているか
  • F値は、いちばん小さい数字(開放)に近いか
  • ズームは、望遠側になっているか
  • もう少し、被写体に近づけないか
  • 被写体のすぐ後ろに、壁や物がないか

キヤノンのEOS R5の説明書には、絞り込みボタンを押すと、設定した絞り値で実際にピントの合う範囲を確かめられると書かれています。
お使いのカメラにこのボタンがあれば、撮る前に試してみてください。

スマホで背景をぼかすには「ポートレート」モード

スマホでは、ふつう「ポートレート」という撮影モードで背景をぼかします。
サムスンは、2つのレンズで被写体と背景を立体的にとらえたり、機械学習で背景と切り分けたりして、ぼかした写真を作っていると説明しています。

ぼかし具合は、スライダーなどで調整できることが多いそうです。
ぼかしが強すぎて不自然に感じたら、弱めてみましょう。

また、被写体にぐっと近づいて撮ると、通常の撮影モードでも背景が自然にぼけることがあります(サムスン)。

F値、近さ、望遠、背景との距離。
4つのうち1つでも多くそろえるほど、背景はやわらかくぼけていきます。

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