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画面ではきれいに見えた写真が、プリントすると暗くなった。
色も、なんだか違う。
そんなときは、いきなり買い替えを考えなくても大丈夫です。
見直す順番を知っておくと、むだが出ません。
結論:見直す順番は、この4つ
- モニターの明るさを下げる(無料)
- 色温度と、部屋の光をそろえる(ほぼ無料)
- キャリブレーションで、モニターの色を測って直す(測定器が必要)
- プリンターの色の設定と、用紙を確かめる(無料)
上から順に、お金のかからないものを並べました。
まずは1と2から試してみてください。
画面と印刷で、色が違って見える主な原因
理由のひとつは、色の作り方が、そもそも違うことです。
モニターは、赤・緑・青の光を重ねて、自分で光って色を出します。
プリントは、シアン・マゼンタ・イエローなどのインクを重ねて、反射した光を見ています。
この差をできるだけ近づけることを、カラーマッチングといいます。
主な原因は、次の5つです。
- 明るさ:画面が明るすぎる。最近のモニターは、動画向けの明るめ・鮮やかな設定で出荷されていることがあります。
- 色温度:画面の白の色味が、部屋の光や用紙の白とずれている。
- 色域:sRGBとAdobe RGBなど、表せる色の範囲が違う。
- 周囲の光:プリントは部屋の照明に照らされて見える。モニターは自分で光るので、影響を受けにくい。
- 個体差と経年変化:同じ製品でも少しずつ違い、使ううちに変わっていく。
1.まず、モニターの明るさを下げてみる
画面が明るすぎると、プリントが暗く感じやすくなります。
明るさの単位は、cd/m²(カンデラ毎平方メートル)です。
メーカーの案内にある目安は、次のとおりです。
- キヤノン:輝度120cd/m²、色温度5000K、ガンマ2.2(写真のプリント向けの推奨設定)
- EIZO:印刷用の目標値として、輝度80cd/m²、色温度5000K、ガンマ2.2
メーカーによって数字が違うので、80〜120cd/m²のあたりが目安だと考えてください。
ガンマは、明るさの変わり方を決める値で、どちらも2.2です。
測定器がないときは、プリントした用紙の隣に画面を置いて、白の明るさを見比べながら、少しずつ下げる方法があります。
目で合わせるやり方なので、正確ではありません。最初の一歩として試してみてください。
2.色温度と、部屋の光をそろえる
色温度は、白の色味を表す数字で、単位はK(ケルビン)です。
数字が小さいほど黄色っぽく、大きいほど青白くなります。
プリントは、部屋の光に照らされて見えます。
光の色が違えば、同じプリントでも見え方が変わります。
キヤノンの案内では、ウェブ向けのモニターは6500Kが良いとされる一方、写真のプリントには、日中の太陽光に近い5000Kが勧められています。
部屋の照明については、次の点があげられています。
- 照明は5000Kの昼白色にする(電球色は約3000K、昼光色は約6500K)
- 色の見え方のよさを表す演色性(Ra)は、90以上のものが向いている
- 明るさは500ルクスくらい。明るすぎても、暗すぎてもよくない
- 窓の外光は、カーテンなどでしっかり遮る
- パソコンの背景は、色のないグレーにする
部屋の照明をすべて替えるのが難しいときは、プリントを見るときだけ、高演色の5000Kのデスクライトで照らす方法も紹介されています。
3.キャリブレーションは、モニターの色を測って直すこと
キャリブレーションとは、モニターの表示のかたよりを測って、正しい値になるように調整することです。
測定器(キャリブレーター)を画面に当てて色を測り、専用のソフトで補正します。
終わると、モニターの特性を記録した「モニタープロファイル(ICCプロファイル)」ができます。
これをパソコンに設定すると、Lightroomなど、色の管理(カラーマネジメント)に対応したソフトが、正しい色で表示してくれます。
やり方は2種類あります。
- ソフトウェア・キャリブレーション:パソコン側の出力を補正する方法。ふつうのモニターでもできます。
- ハードウェア・キャリブレーション:モニターの内部を直接調整する方法。対応したモニターだけですが、精度が高く、安定しています。
モニターは、使うほど少しずつ変わります。
EIZOの案内には、5000K・100cd/m²にしたモニターが、数か月後には4500K・90cd/m²ほどになる例があります。白は暖かい色に、画面は暗くなる方向です。
同じ型番でも、色には少しずつ個体差があります。
そのためEIZOは、200時間に1回ほどのキャリブレーションを目安にしています。
測定器は、かならず必要なものではありません。
1と2を試して、まだ色が合わないときに考えれば十分です。
選ぶときは、お使いのモニターとパソコンのOSに対応しているかを、メーカーのページで確かめてください。
4.プリンター側の設定と、用紙も確かめる
モニターを整えても、プリント側の設定がずれていると、色は合いません。
エプソンの案内では、次のように分けて考えます。
- モニターを調整している場合:ICCプロファイルを使って、色の管理をする
- 調整していない場合:プリンタードライバーで色を管理する。たとえば「EPSON基準色(sRGB)」を選ぶ。データがAdobe RGBなら、「Adobe RGB」を選ぶ
項目の名前は、プリンターのメーカーによって違います。
お使いのプリンターの説明書で確かめてください。
色域にも気をつけましょう。
EIZOの案内では、ネットやプリント店でプリントする写真は、sRGBで扱うほうが、仕上がりとの差が小さくなるとされています(一部の高品位なプリントサービスをのぞく)。
Adobe RGBは、sRGBより、緑から赤にかけての一部の色域が広い規格です。
Adobe RGBの写真を正しく見るには、Adobe RGBに対応したモニターが勧められています。
インクの種類でも、見え方が変わります。
エプソンの案内では、染料インクは色がゆっくり安定するため、時間を置いてから確認するよう勧められています。
まとめ
モニターの色が印刷と違う原因は、明るさ、色温度、周囲の光、色域、そしてモニターの個体差と経年変化です。
見直す順番は、明るさ、色温度と部屋の光、キャリブレーション、プリント側の設定。
できるところから、ひとつずつ試してみてください。
この記事で参考にした公式ページ
数字は、2026年10月に確認した、各社の案内にもとづいています。
- キヤノン「あなたの写真が変わるプリント講座 Lesson08 カラーマッチング」
- エプソン「モニターとプリントの色合わせ」
- EIZO「なぜ必要?モニターのキャリブレーション」
- EIZO「STEP2. モニターの調整」
- EIZO「ソフトウェア・キャリブレーションとハードウェア・キャリブレーションの違い」
- EIZO「Adobe RGBとsRGB、用途に合った色域のモニター選び」
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